スマート家電や車載機器、センサーモジュールなどの製品設計において、近年「赤外線(IR)センサー」の組み込みは不可欠な要素となっています。これに伴い、設計者の皆様からのお問い合わせが急増しているのが、赤外線を通す特殊なインクを使用した「IR印刷(特殊印刷)」です。
しかし、このIR印刷は、単に文字や模様を描く意匠印刷とは異なり、製品の機能そのものを左右する「機能付印刷」です。そのため、設計段階から量産に至るまで、非常に高い技術力と徹底したプロセス管理が求められます。
■ アクリル素材と特殊印刷の「知られざる難しさ」
IR印刷のベースとなる素材には、透明性や耐衝撃性に優れたアクリル樹脂(PMMA)がよく選ばれます。特に、製品の表面品質や耐久性、耐擦傷性を高めるために、ガラス層のような硬度を持つ高機能板、三菱ケミカル製の「アクリライト MR200」が指定されるケースが多々あります。
ここで設計者様が直面するのが、「素材の耐薬品性」と「インクの制約」というジレンマです。ハードコート付アクリルは溶剤に侵されにくいという特性があります。言い換えれば密着しない。そこで硬化剤をインキに入れてインキ事固めてしまうという方法が取られます。さらに、IR印刷においては「特定のインクしか使えない」「インクを調合してから何分以内に印刷を完了しなければならない」といった、極めてシビアで複雑なルールが存在します。
この複雑なルールを無視して印刷を行ったり、素材とインクの相性を見誤ったりすれば、アクリル板のインクの密着不良、さらには肝心の赤外線透過率のバラつきといった重大な不具合を引き起こしてしまいます。
■ 一度不良が出れば「かなり面倒」な機能付き印刷
IR印刷のような機能付き印刷において、最も避けたいのが「量産移行後や市場に出た後の不良発覚」です。
万が一、センサーの認識エラーやインクのはがれが発生した場合、その原因究明(インクの配合か、印刷工程の環境か、素材のロットか)には膨大な時間がかかります。
部品の作り直し、組み立て済みの製品の分解、納期の遅延など、設計者様や製造責任者様にとって「かなり面倒」で致命的な手戻りが発生することになります。だからこそ、機能付きの特殊印刷におけるパートナー選びには、ノウハウに裏付けられた「確かな実績」が何よりも重要になります。
■ マルシン彫刻が選ばれる理由:豊富な「IR印刷」の実績
私たちマルシン彫刻には、これまで数多くの高難度な「IR印刷(特殊印刷)」を成功させてきた、確かなノウハウと実績があります。

上記の画像は、弊社が実際に手がけたIR印刷の加工実績の一例です。
三菱ケミカル(MR200)をはじめとするハードコート板への印刷においても、アクリルの特性を熟知した技術者が、インクの選定からシビアな時間管理、印刷後の硬化プロセスまでを一貫してコントロールしています。
赤外線透過率の安定化はもちろん、デリケートなハードコート層を傷つけることなく、強固な密着性と美しい仕上がりを両立させています。
■ まとめ
製品の品質を担保し、設計通りのパフォーマンスを発揮させるためには、事前のリスク回避が欠かせません。「この素材にIR印刷はできるか?」「複雑な形状だけど透過率を均一に保てるか?」など、図面段階・試作段階からのご相談も大歓迎です。
機能付の特殊印刷で失敗したくない、手戻りのリスクを無くしたいとお考えの設計者様は、ぜひ実績豊富なマルシン彫刻へお気軽にご相談ください。用途に合わせた最適な加工方法をご提案いたします。
~アクリル切削のことならマルシン彫刻へお問い合わせください~
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