製造現場で、こんな経験はありませんか?
設計図面は完成した。素材も決まった。でも、実際に加工を依頼しようとすると... 「この肉厚では反りが出る可能性があります」 「この形状だと、工具が届かず加工できません」 「理論上は可能ですが、精度が出せるか保証できません」
机上では完璧だった設計が、いざ製造段階で思わぬ壁にぶつかる。この「設計と製造のギャップ」こそが、製品開発における最大のボトルネックです。
私たち株式会社マルシン彫刻は、創業64年の樹脂加工専門企業として、このギャップを埋める「製造現場の知恵」を蓄積してきました。単なる図面通りの加工業者ではなく、「作れる設計」と「作りやすい工程」を共に考えるパートナーとして、多くの製造業のお客様にご支援いただいています。
◆加工限界を知り尽くした技術者が、実現可能性を即座に判断
プラスチック加工には、素材ごとに異なる「加工特性」があります。アクリルは透明性が美しい反面、応力によるクラックが発生しやすい。ポリカーボネートは耐衝撃性に優れるが、切削時の熱管理が重要。ABSは加工性が良いが、精密公差が求められる部品では寸法安定性の配慮が必要――。
こうした「素材の癖」を理解せずに加工を進めると、完成品が図面通りの寸法にならない、表面にヒビが入る、組み立て時に合わない、といったトラブルが発生します。
当社の技術者は、数千件を超える加工実績から、各素材の特性と加工限界を熟知しています。図面を拝見した段階で、「この部分は切削方向を変えれば精度が上がります」「この厚みだと内部応力で変形する可能性があるので、アニール処理を推奨します」といった、製造現場ならではの具体的なアドバイスが可能です。
◆複雑形状・高精度加工における「職人の勘」と「デジタル技術」の融合
3D CAD/CAMによる精密加工は今や標準技術ですが、それだけでは解決できない課題があります。例えば、薄肉部品の加工では、工具の押圧でワークが変形し、寸法精度が出ない。深穴加工では、切り屑の排出不良で工具が折れる。R形状の仕上げでは、工具径の選定ミスで段差が残る――。
こうした「教科書に載っていない現場の課題」を解決するのが、長年の経験で培われた「職人の勘」です。当社では、最新のNC加工機と、ベテラン技術者の技能を組み合わせることで、「理論上は難しい」とされる加工も実現してきました。
例えば、複数の曲面が交差する複雑形状の部品、公差±0.05mm以下の高精度部品、薄肉で大型のカバー部品など、他社で断られた案件も、当社の「現場力」で数多く製品化に成功しています。
◆量産前の「加工検証」で、製造リスクを最小化
設計段階では問題なくても、量産時に不良率が高くなる――これは製造業において最も避けたいリスクです。当社では、量産前に少量の試作加工を行い、加工工程の妥当性を検証することを推奨しています。
この「加工検証」により、量産時の歩留まり向上、加工時間の短縮、コストダウンが実現できます。また、実際に加工した試作品を手に取っていただくことで、「図面では見えなかった問題」――例えば、バリの発生箇所、表面の仕上がり感、組み立て時のクリアランス不足など――を事前に発見し、設計にフィードバックすることが可能です。
◆樹脂素材の在庫常備で、緊急対応も可能
「明日までにサンプルが必要」「設計変更があったので、追加で試作品を作りたい」――開発現場では、予期せぬ急ぎの依頼が発生します。
当社では、アクリル、ポリカーボネート、塩ビ、ABS、MCナイロン、PETなど、主要な樹脂素材を常時在庫しているため、素材調達の時間を短縮し、最短での納品が可能です。また、端材を活用した小型部品の試作対応など、コストを抑えた柔軟な対応もご相談いただけます。
◆「作れない」を「作れる」に変える、諦めない姿勢
私たちは、単に「できません」とお断りするのではなく、「この形状を少し変更すれば加工可能です」「この素材に変えれば実現できます」といった代替案を必ず提示します。
お客様の製品開発における「技術的な壁」を、一緒に乗り越えるパートナーでありたい。それが、マルシン彫刻の変わらぬ姿勢です。
「図面は完成したけれど、本当に加工できるか不安」「過去に他社で失敗した加工を、もう一度挑戦したい」「量産前に、加工の妥当性を検証したい」――そんなご相談こそ、私たちの得意分野です。
プラスチック加工・樹脂加工における技術的な課題は、ぜひマルシン彫刻にお任せください。現場を知り尽くした技術者が、貴社の製品開発を強力にバックアップいたします。
~アクリル切削のことならマルシン彫刻へお問い合わせください~
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